AJFの活動

NGO相談員:NGO訪問、総合学習を受け入れて

AJFは、外務省より2008年度NGO相談員業務の委嘱を受けて相談業務、講師派遣(出張サービス)を行っています。

東京女学館中学校の体験授業

2月4日(水)、東京女学館中学校の生徒さん3名が、上野にあるアフリカ日本協議会事務局にやってきました。先のグローバルフェスタ(@日比谷)で、AJFブースにきた彼女達は、公民科の体験授業の受け入れ先として、アフリカ日本協議会を選んでくれました。当日は、NGO相談員の斉藤事務局長と、インターン2人が担当し、事務局横の会議スペースで和やかに作業体験とレクチャーが行われました。

(1)作業体験  

彼女達には、「情報の収集、および発信」の作業の一例として、事務所に届くニュースレターのファイリングとコメント作成を体験してもらいました。これには、「国際協力NGO=現地で汗を流して活動する」という一般的な発想に加えて、「現地で活動しないNGO」があることも知って欲しいとの思いと、NGOには地味な(?)デスクワークも日々の作業としてあることを理解してもらいたいとの思いがありました。当日は、1月に事務所に到着したニュースレターの中から各自5本を選び、管理ソフトへの入力作業、読んでアフリカ関連の記事を抜き出す作業、自分の関心のある記事を選んでコメントする作業を行いました。

(2)レクチャー

 斉藤事務局長が、アフリカ日本協議会の紹介を最初に行い、後半のレクチャーで事前に届いた質問リストに答えました。「中学生ってどれくらい知っているのだろう・・・」と大人向けレクチャーに慣れた斉藤事務局長の不安は見事に的中。「アフリカで知っている国は?」との問いかけの最初の答えが「ブラジル」だったこともあり、アフリカに関わるNGOとしてまだまだ頑張らねば・・・とスタッフ一同は苦笑いでした。

それでも、彼女達は、斉藤事務局長の言葉を聞き逃すまいと、一生懸命にメモをとっていました。

(3)感想

K.Nさん「貴重な体験ができました!外に出て活動するのではなく、PCとにらめっこする作業もとても大事な作業だとわかって魅力を感じました。あまり知らなかった世界の事情を知れてよかったです。」

O.Nさん「質問に詳しく答えてもらえてよかったです。実際に作業をやってみて、大変な仕事だなぁと思いました。また、アフリカのことなど今まで知らなかったことをたくさん知ることができました。」

W.Nさん「普段、私たちが耳にする世界の状況というのは、「アメリカや日本を中心とした不自由なく生活できる国がある一方、アフリカを中心とした発展途上国では、水や食べ物に困っていて、明日の生活もどうなるかわからない」といった貧富の差が一般的です。しかし、安全な水や食料を現地に届ける国際協力のほかにも、こういったPCや資料に向き合った地味で細かい作業もあり、これが国際協力の基盤になっているのではないかと思いました。貴重な経験ができてよかったです。」

以下、生徒さんの作業を掲載いたします。普段、あまり聞く機会のない「中学生」のコメントをご覧いただければと思います。担当したスタッフは、とても素朴で素直な感想だと感じました。

●K.Nさんの気になるニュースは・・・、

『「フェアトレード」を広めようと、ミニストップ全店舗でフェアトレードチョコレートとフェアトレードマンゴー、フェアトレード缶コーヒーを販売。販売開始当初は、「店頭においてきちんと売る」ことが優先で、フェアトレードの意味を伝えるには至らなかった。』(ハンガーフリーニュース,ハンガーフリーワールド2009.1)

⇒私の通う学校では、毎年バレンタインの時期にあるとフェアトレードカカオを販売しています。私は打っているカカオを見て「高いなぁ〜」と思っていました。なぜ普通の価格ではないのか不思議でした。なので、今回の記事をみて、値段が高い理由はわかりましたが、やっぱり値段が高いと、いくらフェアトレードの商品が良質で安全だとしても買うのは躊躇してしまいます。もう少し安ければ絶対買うのになぁ〜。

●O.Nさんの気になるニュースは・・・、

『化石燃料の代替エネルギーとしてトウモロコシやサトウキビで生産されるバイオエタノールは、地球温暖化の具体的な防止策としてだけでなく、ビジネスチャンスとしても注目されているが、食料とエネルギーとの境目が壊されるという深刻な問題を作っており、貧しい国に住む人の食を直撃している。日本は、食品廃棄物をエネルギーとして利用する技術の開発に取り組んでいるが、便利さを求めるのではなく、不便さも受け入れて生活を見直していかなくてはいけない。』(飢餓対策ニュース,日本国際飢餓対策機構2009.1)

⇒ 代替エネルギーは、テレビでも時々見るし、とてもいいものだと思っていた。しかし、バイオエタノールの原料となるトウモロコシやサトウキビが貧しい国の人々の食を直撃していると言うことを初めて知った。代替エネルギーの開発よりも、食べ物がなくて困っている人たちを助けることの方が大切だと思った。

●W.Nさんの気になるニュースは・・・、

『妊産婦死亡率が世界で最も高い国であるケニア(出生10万人あたり414人)。その原因には、産科ケアの遅れが上げられている。また、50%以上のお産が自宅で行われていることもあり、施設分娩や有資格者による「安全なお産」の実現が期待されている。これらの課題に対して、対象地域で妊産婦ケアの改善を目標に活動を行い、分娩件数の伸び率増加や妊産後健診数の上昇など、プロジェクト目標が達成された。(HANDS,HANDS2008.12)

⇒ 日本でのお産といえば、病院で安全な衛生状況下で安心して子どもが産めるというイメージがありましたが、世界のほかの地域では、保健局やヘルスセンターを含めた地域全体でプロジェクトを行わなければならないほど大変な状態であることがよくわかりました。今後も、このプロジェクトの効果を持続させ、1人でも多くの命が助かればいいなと思いました。

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