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世界遺産に登録されたアフリカ中央部熱帯林地域−生物多様性・環境保全の課題と日本との関係を考える



コンゴ共和国のヌアバレ・ンドキ国立公園とその周辺部、及びその地域と国境を接する中央アフリカ共和国・カメルーン共和国の保護地域とその緩衝地帯が、「3国サンガ地域」として、2012年7月に世界遺産に登録されました。
ここは、多くの熱帯林が人からの影響をほとんど受けていない原生の森であり、野生生物にとってアフリカの最も重要な生息場所であるといえる。WCSの調査結果では、少なくともコンゴ共和国側では、原生林の証であるマルミミゾウのゾウ道が縦横無尽に走り、また絶滅危惧種に指定されているニシローランドゴリラが従来からの健全な頭数で棲息している。またこれまで人間と接触したことのないツェゴチンパンジーなどの動物が見られる。
しかしながら、この世界遺産に登録された保護地域の周囲では、伐採業などによる森林面積の縮小による野生生物生息地の分断化や、密猟によるマルミミゾウの減少など、生物多様性や環境保全に関わる問題が生じている。世界遺産登録地域の緩衝地帯の伐採区では、国際機関からの認証済みである環境配慮型の伐採業を営んでおり、生物多様性保全への努力を重ねてはいるが、密猟や象牙・獣肉等の違法取引は現在も進行中である。
こうした背景には、熱帯材や象牙に対する継続的な需要がある。現在象牙の需要がある主要な国は日本と中国であり、日本ではマルミミゾウ由来の象牙を使用している可能性が高い。また熱帯材の利用は、日本を含む先進諸国からの需要に基づくものである。アフリカ中央部熱帯林地域は、日本から遠く、一見そこでの問題は日本と無関係であるかのようにみえるが、現実はそうではない。
今回のセミナーでは、このような状態に対するアフリカの国々の取り組みや日本との関係、地球規模の観点から見た野生生物・環境保全への課題、特に日本人にとっての課題について報告を受け、討議いたします。

講演者:西原智昭さん(自然環境保全マネージメント技術顧問。コンゴ共和国北部Ndoki Landscapeで活動。WCSコンゴ所属)
詳しくは、生存学創成拠点ウェブサイト:西原智昭 http://www.arsvi.com/w/nt10.htm
現地調査報告:永石文明さん(東京農工大学農学部非常勤講師)

日時:10月13日(土)午後13時20分〜15時45分

会場: 環境パートナーシッププラザ・セミナースペース
 住所 〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F
 地図 http://www.geoc.jp/access

問い合わせ・参加連絡:AJF事務局 斉藤
 メール info@ajf.gr.jp
 電話 03-3834-6902
※ 会場・資料の用意のため、事前に参加連絡をいただけると助かります。お名前と緊急時連絡先(携帯電話・携帯メールなど)を知らせてください。

主催:(特活)アフリカ日本協議会

問い合わせ:AJF事務局 斉藤
 メール info@ajf.gr.jp
 電話 03-3834-6902

後援:
特定非営利活動法人 野生生物保全論研究会
日本生物多様性財団
(特活)開発教育協会

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※ 平成24年度地球環境基金助成「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ 生物多様性保全の教育・普及活動」

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